不育症
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不育症とは
はじめに
妊娠だと分かって、喜んだのもつかの間、突然に性器出血や下腹痛が起こり流産してしまったり、あるいは全く何の自覚症状もないのに健診の超音波検査でお腹の中でもう赤ちゃんがなくなっていると指摘されて、ショックで、落胆なさったことでしょう。もう一生涯赤ちゃんはのぞめないような気分になってしまうのも理解できます。
妊娠したら無事に生まれてくるのが当然だと思いますか?
無理をして働き続けたのがいけなかったのか?
妊娠初期に食べた食べ物が悪かったのか?
妊娠初期に飲んだ薬が悪かったのか?
運動をしたのがいけなかったのか?もう少し気をつけていれば?
どうして流産したのでしょうか?
ひとりで悩み、原因が自分にあるのではと責めている人はたくさんおられます。
妊娠が成立し、その後胎児は順調に発育し、正常分娩になることが理想です。しかし、妊娠経過の異常も分娩経過の異常もあります。妊娠経過の異常としては流産が代表的で約15%もの高頻度に認められます。さらに約5%の早産がみられるために、無事に正期産に達するのは約80%にまで減少します。流産したとき医師から「流産のほとんどは赤ちゃん側の染色体異常が原因で、今回のことは自然淘汰と考えて、また次の妊娠に期待しましょう。」と説明されても、そのときはショックで何のことか分からず、そのときは理解したような気持ちになってしまい・・・・・。
でもそんな人にとって次の妊娠は不安なものです。
まして2回、3回と流産したら・・・・・。
流産というもの、習慣性流産とは何かを理解することによって、次回の妊娠に対する不安をなるべく少なくし、また異常があれば治療することが、元気な赤ちゃんを抱く第一歩です。
※当院では不育症と習慣性流産は同じに扱っています。
流産と自然淘汰
流産の頻度
まずは統計の数字から流産をみてみると厚生省の報告によると、自然流産の頻度は14.9%、うち妊娠12週未満の早期流産は13.3%、妊娠12週以降22週未満の後期流産は1.6%とされており、流産が妊娠初期に起こりやすいことは明らかなようです。つまり妊娠12週未満の早期流産が圧倒的に多いが、そのうちでも妊娠8~10週の流産が多く、後期流産は少ないということです。初経産別では、経産婦に多く、妊娠回数が増加するにつれて流産頻度が高くなる傾向にあります。また母体年齢が高くなるにつれて、流産頻度は高くなります。
分かりやすく言うと、100人の女性が妊娠したとすると、そのうち約12~20人が流産します。年齢的には20歳だと12人程度、30歳台の後半で20人を越えます。言い換えると、100回妊娠すると、そのうち約12~20回が流産します。
5人から8人に1人と概算すると、そんなに珍しいことではないということが分かると思います。
最近では妊娠診断薬の改良によって、妊娠の診断が極めて初期に可能となったために、これを含めると約20~30%の高頻度にのぼるともいわれています。
流産の原因
よく世間では、妊娠初期に無理をしたから、きつい仕事をしたから、という理由で流産したと悔やんでいる方がおられますが、実際はそのようなことではまず起こりません。
では、どうして流産は起こるのでしょうか?
流産の原因は極めて多岐にわたり、原因が不明のことが多いです。流産の原因を大きく二つに分けると、胎児の要因と母体の要因とに分かれます。しかし、以下に示す因子は可能性が推測されているのみで、実証されていないものも多いです。
また以下に示す因子があればほとんど流産を避けられない場合もありますが(染色体異常など)、必ずしも流産するというわけではない場合もあります。たとえば子宮筋腫がある場合に、流産を繰り返せば原因として考慮せざるを得ないが、結果的に流産しなければ処置すべき異常とはいえない。このような視点から流産の原因を検討すべきであり、一般臨床においては、個々の流産の原因を明確に診断することは困難なことが多いです。
しかし、ほとんどの流産は胎児の要因で起こります。では、胎児のなにが悪かったのでしょうか?
胎児の要因のほとんどが染色体異常です。
胎児染色体異常
ヒトは46本の染色体を持っています。
46本から23本を選びだしてヒトは精子と卵をつくります。その時減数分裂という特殊な細胞分裂を行います。この減数分裂とそれに続く受精(精子と卵との合体)がなかなか難しいらしく、発育を開始した受精卵に染色体が46本そろっていないことも多いのです。この胎児の染色体異常が起こると多くが流産します。
正常な女性の染色体は46本の染色体が認められ、うち2本は性染色体であり、女性は性染色体はXが2本、男性であればXが1本、Yが1本となります。
流産と染色体異常
染色体異常をもつ受精卵の多くは、発育を開始はするもののある程度以上は(その染色体異常の程度によって変わります)成長できず、やがて成長が止まります。つまり、死亡してしまいます。死亡した胎児を子宮の中にとどめておくわけにはいかないため、胎児が死亡すると出血が始まり、子宮が収縮して胎児を子宮から押し出します。これが流産です。
このような胎芽・胎児の染色体異常は染色体異常精子や染色体異常卵子によって発生する他、受精過程で起こる染色体異常も含まれます。このような染色体異常受精卵は極めて多数(40%)認められますが、その15%は卵割期に、さらに15%が着床前後に淘汰され自然消滅します。この場合には受精が成立したのみですから、患者さんは妊娠を全く意識しませんし、産科学的にも妊娠とは言えません。10%が妊娠と診断された後に自然流産というかたちで淘汰されます。
さらに流産することなく妊娠が継続された児の一部は妊娠中期・後期に子宮内胎児死亡となります。このように染色体異常受精卵のほとんどは出生に至ることなく、妊娠経過とともに自然淘汰されます。自然淘汰されることなく出生にいたるのはわずかに0.6%程度とされています。このように卵割期、着床前後といった我々の無意識の過程においても、染色体異常における自然淘汰は起こっているわけです。
年齢と流産
流産は主に染色体異常により起こります。母体の年齢が上がるにつれ、染色体異常の発生も上昇します。下の表は各年齢における染色体異常の児が生まれる確率および流産率です。年齢が高くなるにつれ確率が上昇していることが分かります。
母体年齢 | 流産率 | 妊娠に占める胎児染色体異常(%) |
---|---|---|
~29 | 4~5 | |
30~34 | 15 | 5~6 |
35~39 | 17~18 | 10 |
40~ | 25~30 | 20~25 |
流産の発生する確率も年齢によって異なります。流産の原因のほとんどは受精卵つまり胎児の染色体異常ですので、上の表と同様に、年齢とともに流産する確率は上昇するといわれています。これを避けることはできません。
流産の大部分は胎児の問題(染色体)で発生し、これを防ぐことはできません。
流産は決して珍しいことではなく、たった一度の流産をしたからといって心配する必要はありません。
2回以上流産を繰り返した場合母体の問題が存在する可能性も考えられます。
不育症の検査(習慣性流産)
一般検査
問診、基礎体温、生化学スクリーニング
子宮器質的異常
子宮の奇形、子宮筋腫、内膜症のチェック
超音波断層法、子宮卵管造影、(必要なら腹腔鏡、子宮鏡)
内分泌学的異常
黄体機能不全…高温中期のE2、P4定量
高プロラクチン血症…プロラクチン値(TRH test)
甲状腺機能障害…FT3、FT4、TSH 必要なら子宮内膜組織検査(黄体期7日目)
代謝異常
糖尿病…空腹時血糖、HbA1c
感染症
クラミジア抗体検査
トキソプラズマ血清抗体価
梅毒血清反応
凝固機能異常
PT、APTT、フィブリノーゲン
凝固第ⅩⅡ因子#
自己免疫異常
抗核抗体
LAC
抗カルジオリピン抗体 IgM
抗カルジオリピン抗体 IgG
β2GP1
抗PE抗体#
血液不適合妊娠…間接クームステスト
同種免疫異常
NK細胞活性
HLA(夫婦):希望者のみ
染色体異常
夫婦染色体検査
#は2次検査
不育症の原因・検査・治療
子宮の奇形や異常
子宮の上部がハート形になっている双角子宮や中隔子宮などの子宮奇形また子宮筋腫や子宮内腔癒着などがあると、子宮の内腔への血液循環が悪くなるなどし、たとえ着床できても胎児の発育が損なわれ流産することがあります。この場合、子宮形成術を行うこともあります。
子宮奇形や子宮筋腫は決して珍しくはなく、たとえあっても無事出産している方はたくさんおられます。また妊娠して初めて発見される方も少なくはなく、あったからといって必ずしも不育症につながるわけではありません。子宮筋腫については子宮内膜との位置関係、大きさによっては筋腫部分だけ取り除く核出術が適応になることもあります。ただ、手術しなければ必ず流産するというほどの危険はありません。
子宮内腔癒着は癒着剥離術を行い、再癒着を防ぐためリングなどを子宮腔に挿入して3ヶ月ほど避妊していただきます。
その他に妊娠中期の流産をおこす人は子宮頸管無力症が疑われます。これは妊娠中赤ちゃんを支える子宮の入口(頸管)が支えられなくなり、まだ閉じていなければならない妊娠初期、中期に突然子宮口が開いてしまう病気です。流・早産の可能性が高くなります。この場合子宮頸管を特殊なテープで子宮口を縛る頸管縫縮術を行います。
最近では子宮内膜症と流産の関係も注目されています。
黄体機能不全
黄体機能不全はプロゲステロンの分泌不全が原因で、エストロゲンによって増殖した子宮内膜の分泌性変化に異常をおこすという病気です。つまり、子宮内膜が相当の厚さにならず、卵が着床できない状態をいいます。その結果反復流産の原因になるとされていますが、黄体機能不全が果たして習慣性流産の原因になるかは、未だはっきりしていません。多くの場合はプロゲステロンの欠乏は他の原因による二次的結果で、着床環境の障害により流産に至ると考えられています。黄体機能不全の原因はさまざまですが、卵胞成熟過程の異常が主要な原因であるとされています。卵胞期におけるFSH、排卵期のLHの分泌異常などにより卵胞発育が障害され、顆粒膜細胞の黄体化障害や黄体からのプロゲステロン分泌低下をきたすと考えられています。
習慣性流産患者の20%~60%に黄体機能不全が認められるという報告もあることから、流産に関与することは明らかでありますが、それを個々の症例に当てはめるとなると難しいと思われます。またプロゲステロンは妊娠維持に有利な免疫状態にする報告もあり、異常があれば治療が必要です。
検査
非妊娠時高温期(黄体期)に検査を行い
- 血液検査による黄体期中期プロゲステロン値が10ng/ml以下の場合
- 基礎体温高温層が10日以内
- 内膜日付診で2日以上のズレ
の1つでも認められれば、治療の対象となります。
子宮内膜日付診は痛みをともなう検査なので当院では経腟超音波検査にて、子宮内膜のエコーパターンや内膜の厚さから子宮内膜の反応性を検査しています。
治療
- クロミフェン療法
- 黄体刺激療法
HCGを排卵時に 5,000単位 黄体期初期に2~3回 1,000~5,000単位を筋肉注射。 - 黄体ホルモン補充療法
低下した黄体ホルモンを経口、筋肉注射などで補充するもので、黄体期初期から投与します。
高プロラクチン血症
習慣性流産の約15%に認められます。
プロラクチンは脳の下垂体から出るホルモンで、主に乳汁を出す役割をしています。出産すると母乳が出ている間は生理が起こりにくいですが、高プロラクチン血症はこの状態が妊娠していないのに起こってしまうものです。血液検査で判ります。15ng/ml以下が正常値です。あまりに数値が高い場合は下垂体腺腫が存在する場合があるので、その場合は脳外科に依頼することもあります。また服用している薬剤などで高値になることもあります。
プロラチンは一日のうちでも変化していて、夜中に高くなる傾向があります。一回の採血では判定できないこともあり、異常を認めない場合でも、当院では潜在性高プロラクチン血症のことも考慮し、T RH testを行います。TRH testでは、負荷後30分でプロラクチン値70ng/ml以上を陽性とします。
治療としてはパーロデルやテルロンの投与を行います。
胃腸薬や向精神薬などのなかには服用されると、プロラクチンが上昇する薬剤もあり、常用されている薬剤があれば事前にお知らせください。
高プロラクチン血症は黄体機能不全と同じく、不育症というより、不妊症の問題であると考えられていましたが、最近、高プロラクチン血症が妊娠維持にとって不利な免疫状態に誘導することが判ってきました。高プロラクチン血症の反復流産患者は有意に高ナチュラルキラー(NK)細胞活性を示すことが判明しています。
甲状腺機能異常
甲状腺機能異常の患者に初期流産が多いことは以前より知られていましたが、統計的には習慣性流産患者の約5%に機能異常が認められます。甲状腺機能低下症は二次的に高プロラクチン血症を引き起こすこともあるため、高プロラクチン血症を介した機序も考えられます。
治療としては、機能亢進症に対してはメルカゾールなどを、機能低下症に対してはチラジナSなどを投与します。
糖尿病
家族に糖尿病の方がおられるとか、空腹時血糖値が高い場合には75gGTTを行います。妊娠初期にコントロールできていないと胎児奇形を引き起こすことがあるので、十分コントロールがついてから妊娠にもっていくほうがよいでしょう。しかし実際の習慣性流産患者での糖尿病の頻度は低いです。
感染
まずは血液検査で炎症がないか調べます。クラミジア頚管炎およびGBSによる子宮頚管炎の検査をします。治療はそれぞれに対する抗生剤を投与します。また12週以降の流産には感染によるものが多く認められます。細菌性膣症から絨毛膜羊膜炎になり子宮頚管が開いたり、破水を起こし流産になることもあります。また胎内感染を引き起こしその結果流産に至ることもあります。
染色体異常
夫婦どちらかに染色体の異常が判明した場合、染色体異常だから治療できないと必ずしも考えることはありません。染色体異常の状態によっては流産の原因にならないものもあります。
問題になるのは転座によるものです。転座における理論的流産率はロバートソン転座で4/6(67%)、相互転座で2/4(50%)であります。モザイクはその構成頻度によって流産率は異なるといわれています。流産になる可能性は高いですが、生児を得る確率も低くなく、このことを踏まえたうえで積極的に治療を受けるべきだと考えています。私たちも患者さんが積極的に治療に向かえるようにカウンセリングを通じ、精神的支えになるよう努力しています。
また男性側の異常は受精前に淘汰され、受精にかかわる精子は正常な場合が多く、あっても10%程度だろうといわれています。
免疫血液凝固異常
胎児はお母さんから血液を介して栄養をもらっています。しかし、お母さんがその血液が流れている血管に血栓を作りやすい体質であれば、血液の流れを塞ぎ、その結果、胎児へ栄養がいかず育たなくなります。
自分の体の中にある物質に対して自ら抗体を産生し、さまざまな異常を示すのが自己免疫疾患と呼ばれています。自己抗体の代表的なものは抗核抗体で、不育症の20%前後に認められますが、それ自体が流産の原因になるとは今のところ証明されていません。
その中で不育症に関係があるのは抗リン脂質抗体症候群です。抗リン脂質抗体は習慣性流産の患者の10~16%に陽性です。この抗体が血小板や血管壁に作用し血栓の原因となる。胎盤の中に血栓ができて、胎児へ流れる血流が悪くなり、このため子どもが育たなくなり、お腹の中で赤ちゃんが亡くなると考えられています。妊娠の最終経過はGS(胎嚢)の確認までが多く、胎児心拍は認められないことが多いようです。治療法には低用量のアスピリン療法やステロイドが有効ですが、抗体価が強ければヘパリンを併用する方法があります。ステロイドは免疫抑制の働き、自己抗体を下げる作用がありますが、多量ステロイドを用いるため副作用も考慮しなければなりません。アスピリン、ヘパリンは抗凝固剤です。血栓を予防する働きがあり、ヘパリンを静脈に流し続けることで血流をよくします。ステロイドやアスピリンは服用する薬ですが、ヘパリンは注射で、入院が必要になり、8-10週頃にはじめ、出産まで常時注入しないといけないなどの負担があります(注射は24時間。家事、育児、仕事も行える場合がある)。そのため、当院ではアスピリンを用いています。またステロイドに似た働きをするもので漢方薬の柴苓湯(サイレイトウ)を処方することもあります。
また、ステロイドに代わるものとして、大量ヒト免疫グロブリン療法という治療法もあります。これは自己免疫疾患の場合に内科で使われているものを応用していますが、費用が高いなどの問題点もあります。
免疫の異常
ヒトの体には外からの細菌やウイルスなどの異物が侵入してきた場合これを排除する免疫機能が備わっています。胎児は母親由来の遺伝子と父親由来の遺伝子を半分ずつもらっています。胎児は遺伝情報の半分を父親から譲り受けており、母親から見ると免疫学的に異物ということになります。一般に、他人の臓器を移植しようとしても、拒絶反応のために生着しないことが分かっています(同種免疫反応という)。
本来の免疫機能が働けば、胎児をお母さんの体が受け入れにくくなります。つまり、胎児がお腹の中で育っていくためには、お母さんが胎児を自分の身体の一部(自己)と認識しなければいけません。妊娠すると、胎児や胎盤が母体から拒絶されずに発育しており、妊娠では特殊な同種免疫反応が成立していると考えられています。
この機構は必ずしも明らかになっていませんが、現在では母体免疫系が胎児や胎盤を認識し、積極的に反応して種々の生理活性物質を分泌し、それらの発育を促進、あるいは制御しているという説が注目されています。このバランスが崩れると、胎児がお腹の中に宿ると、身体が自分の身体の一部と認識せず(非自己)、胎児を異物と認識し、流産を起こしてしまいます。この同種免疫異常による流産は拒絶反応であるため、急激な出血をともなう流産が多いようです。
NK細胞活性
NK細胞とは白血球の一種でnatural-killerリンパ球のことです。血液中にあってNK細胞は癌を殺したり、外部からの細菌などの侵入を防ぐ役割を持っています。普通は胎児を異物として認識してはいけないので、妊娠するとNK細胞の活性が抑えられるようになっていますが、妊娠しても活性が高いままの場合もあり、流産に結びつくこともあります。
活性レベルは血液検査で簡単に調べられます。
Th1/Th2
ThとはヘルパーT細胞のことで、獲得免疫はTh1とTh2のバランスで成り立っています。
Th1は細菌やウイルスなどの異物に反応する細胞性免疫、Th2は抗原に反応する液性免疫です。
Th1/Th2はどちらかの働きが過剰にならないように、いろいろなサイトカインがお互いの働きを抑制しあうように働き、免疫のバランスを保っていると考えられています。半分が精子由来である受精卵を受け入れる女性の免疫寛容が、妊娠にとって重要であり、正常妊娠では胎児・胎盤を異物とみなし攻撃するTh1細胞が減少しTh2細胞が優位になり妊娠が維持されます。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは卵巣における卵胞発育や黄体機能に影響しているため、その機能の低下が流産に関与している可能性があります。
また,甲状腺抗体が陽性の場合には妊娠後に生理的に甲状腺ホルモンが低下するため,母体から胎児への 甲状腺ホルモンの移行が不足し、流産率が上昇する可能性があります。
ビタミンD
不育症では有意なビタミンD非充足状態を認めており、着床・胎盤形成不全の可能性が報告されています。また卵巣に対するビタミンD作用もあり、妊娠3ヶ月前からのビタミンD濃度が「充足状態」な場合、出産率が有意に10%も高くなることが明らかとなっています。