ビタミンDとは
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3ビタミンDとは
ビタミンDは脂溶性ビタミンのひとつです。主にカルシウムとリンの吸収を促進し、骨をつくり、丈夫にすることが知られていますが、近年、細胞の増殖や分化にも深く関わっていることが明らかとなり、妊娠や出産時のビタミンDの働きについて注目されるようになってきました。
目安とされるビタミンDの摂取量は妊娠前はもちろん、妊娠中、授乳期間も含め、1日8.5㎍です。しかし実際のビタミンD摂取量は、20代女性で5.2μg、30代女性で5.6μg、40代女性で4.8μgでした。
ビタミンDが足りているかどうかは、血中のビタミンD濃度の指標となる25(OH)ビタミンDを測定することで判断できます。この濃度が30ng/ml以上を充足、20~30ng/mlを不足、20ng/ml以下を欠乏としています(日本内分泌学会診断基準より)。最低でも20~30ng/mlは確保した方がよいとされています。
ビタミンDを摂取するには
①まずは食生活を振り返り、積極的に摂りましょう
ビタミンDには2種類あり、ビタミンD2は植物由来、ビタミンD3は動物由来のものです。ビタミンD2はキノコ類に多く含まれており、干しシイタケとまいたけに特に多く含まれています。ビタミンD3を多く含む食べ物は、しらす干し、いくら、サケ、マグロ、鯖などの脂肪の多い魚やきのこ類に多く含まれ、卵や豚レバーなどにも少量含まれています。
②日光を浴びる
紫外線を長時間浴びると皮膚や目にダメージを与えてしまうため危険ですが、10~20分程度、週に2、3回日光浴を行うことでも確保されると言われています。
③ビタミンDサプリを摂る
ビタミンDが欠乏している方はサプリメントをお勧めします。
1日の摂取目安量として8.5μg/日、上限量100μg/日となっています。血中25(OH)D濃度は30〜50ng/mLを維持するためのビタミンDの投与量はそれぞれ異なりますので、微調整が必要です。飲んでいるから大丈夫と思わず、必ず採血により確認を行ってください。尚、ビタミンDは分けずに一度にまとめて摂取した方が吸収が良いです。
ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、多量の摂取を続けると高カルシウム血症など人体に悪影響を及ぼすこともありますので、サプリメントの過剰摂取には気をつけましょう。
妊活とビタミンD
近年,生活習慣の変化からビタミンD低値の女性が増え、骨軟化症や骨粗鬆症の原因となることで知られています。最近では月経前緊張症(PMS)や子宮筋腫、月経困難症にも影響があるとの報告もあります。
ビタミンDと不妊
ビタミンDは、卵胞発育や妊娠率低下に関与する
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性はビタミンD濃度が低い
PCOSによる排卵障害の女性はビタミンD補充によって排卵率が上がる
卵胞液中のビタミンD濃度が高い女性ほど体外受精の妊娠率が高い
ビタミンDが子宮内膜の環境を整える着床に必要な栄養素といわれ不足すると着床障害の原因になる
30歳以上ではビタミンD濃度が高い女性ほどAMHが高い
ビタミンD濃度が高い男性ほど精子の質がよい
ビタミンDの欠乏を示す男性は勃起不全(ED)を発症するリスクが高くなる
ビタミンDの不十分・不足の方に不育症、反復着床不全が認められる